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MARK  明石の蛾達:生涯生態
ヒロヘリアオイラガ日本亜種
開始:2005/08/28
更新:2014/10/26

各個体は、必ずしも同一個体とは限りません。
幼虫は初齢、若齢、中齢、亜終齢、終齢を使用。数値齢は終齢齢数によって異なる。
【例】終齢=7齢の場合、初齢=1、若齢=2、中齢=3,4,5、亜終齢=6、終齢=7となる。
syougai21 形 態 幼虫 初(1)齢(約 4mm)
撮影日 2004/06/19 サクラにて
孵化してから数日が経っていると思われます。
集団生活をしており、葉っぱの裏側から表皮だけを残して食害します。
ある程度の食害を済ますと他の葉っぱに集団移動しますが、すぐ隣ではなく離れた場所を選び 食害された葉っぱ付近では見付けられないことがあります。
syougai22 形 態 幼虫 おそらく若(2)齢(約 8mm)
撮影日 2004/08/21 サンシュユにて
頭は右側。
背中の模様もハッキリとしてきます。
外観形態では、アオイラガ、クロシタアオイラガと酷似。背中の模様で識別可能。
背中の中央に走る暗色の細い縦筋模様が特徴。
syougai23 形 態 幼虫 おそらく中(3)齢(約14mm)
撮影日 2004/07/05 ムベにて
頭は右側。
この齢の途中から葉っぱの表皮も残さず食害し始めます。同時に単独行動も始まります。
脱皮が近づくと長い角が黒ずみます。これは新しい棘が皮の下で育っていることによるもの。
syougai24 形 態 幼虫 亜終(4)齢(約20mm)
撮影日 2004/07/05 サクラにて
頭は左側。
常に頭を隠しており前後が判らない形態をしていますが、内側の長い角にある棘の黒が目立つ方が頭側です。
youtyuu 形 態 幼虫 終(5)齢(上側、約22mm)
撮影日 2004/07/07 サクラにて
頭は右側。(下側の亜終齢は左側)
棘の生えていた角状のものは瘤状に変わり、お尻に4個の黒く丸い毛束ができます。
この形態までアオイラガに酷似しますが、頭側の色付き棘は朱色です。 黒く丸い毛束は、亜終齢時に既に生じている個体も居ます。
syougai31 形 態 繭(製作中)
撮影日 2004/07/11 室内飼育
糸で繭玉の基礎を作っているところです。この後、それに体液を染み込ませて繭を形成します。
狭い中を器用に体をくねらせて動き回ります。
syougai32 形 態 繭(完成品)
撮影日 2004/07/26 室内飼育
繭は、楕円形で偏平しています。これは、繭を作る場所に適応するためです。
外に散らばせているお尻の黒い毛は、繭に固定されておらずすぐに無くなってしまいます。
確認できている限りでは、長方向寸が17mmで♀、14mmでは♂が羽化してきます。
sanagi 形 態 繭(越冬中)
撮影日 2003/10/28 コンクリートブロック塀
自然界では、木の幹や石の表面の少し窪みがあるところを選んでいます。
このため、飛び出る部分を少なくするのに偏平するようです。
syougai33 形 態 前蛹(越冬中)
撮影日 2004/01/28 越冬中の繭の中
壁に付いている部分を剥がしていますので腹(脚)側からの様子です。
繭の内側(上)には既に羽化時に開く蓋の部分が作られています。
羽化するシーズンが近づくまで繭の中では前蛹状態で過ごします。
syougai34 形 態 蛹 
撮影日 2004/02/04 室内飼育
羽化が近づいてから蛹になります。暖かい室内のため少し早めの蛹化です。
♀ 形 態 成虫 ♀
撮影日 2004/05/01 室内羽化
♀の触角は糸状で、♂に比べると大型になります。
この♀は、繭の長方向径が約17mmのものから羽化しています。


なんでも観察 飼育などの観察を通じて感じたことに自分勝手な推測を行っています。
くれぐれも参考程度に留めて見てください。
幼虫:お前の頭は、何処にある!!
このタイプの幼虫は、頭をスッポリと肉ヒダの中に隠しています。
食事の時も食べる部分を肉ヒダで覆い隠し、 その内側で食べていますため辛うじて見えても口元の極一部分だけです。
頭は体の内で最も大事な部分として防御しているものと思われます。 ところが、その頭を披露してくれる瞬間があります。
脱皮した直後です。新しい頭も最初は柔らかいため空気に曝して固くする必要があります。
右の写真のように頭を突き出して伸び上がるようにして数分間います。
syougai61